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ミステリーと私

私の数少ない娯楽の一つが日本のミステリー小説を読むことである。小学生時代、夜眠るのが恐ろしくなるほどゾクゾクした図書室で借りた江戸川乱歩シリーズは全て読破した。その後学生時代に逢坂剛氏の「カディスの赤い星」に惹かれたものの、当時は村上春樹、村上龍のW村上全盛期であったため発展することはなく、本格的にハマり始めたのは大学病院に勤めていた頃だと思う。あの多忙な日々の中で読書する暇がよくぞあったものだと不思議に思うが、書店で平積みされている文庫本やノベルズをタイトルと帯の紹介文だけ見て購入していた。いつどこで何を読んでいたのかは記憶がないが、既読の本を再購入したり、電車の中で読み耽って降車すべき駅で降り損なった事などは覚えている。最も没頭できたのは開業当初の閑古鳥が鳴いていた診察室だったかな(苦笑)・・


ミステリー小説というジャンルはなんとなく曖昧で、いわゆる推理小説はもちろんのこと、ハードボイルドや冒険小説と称するもの、あるいは諜報活動(スパイ)、警察ものや一部のエンタメ系までも含まれるようだ。またミステリー作家の中には時代小説や歴史小説に挑んで売れてしまうケースもあり、もはや明確な線引きには意味がないのかもしれない。


個人的に好きな作家、すなわちほぼ全作品を読破していて新刊が出ればとりあえず購入するのは、大沢在昌、今野敏、そして映像化作品も多い東野圭吾のお三方である(敬称略)。読み出したら止められない、終わりが近づいてくると寂しくなってしまう。そんな作者の新作を手にした時の喜びはまるで遠足前日の小学生の如くで、1ページ目を開く瞬間まで期待に胸が膨らむのだ。


数日前に大沢在昌氏の新刊「リペアラー」を読了した。今回も診療の合間や昼休みも含めて一気に読み通してしまった。ちなみに大沢氏は私が通った中学高校の8年先輩、そして今回のブログのタイトル「ミステリーと私」は氏が各所で講演される時の定番タイトルである(私も2回拝聴した)。


さて次はいつ、どこで、どんなミステリー小説に出会えるだろうか。

 

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